Apple Arcadeが目指すゲーム観とは?最近追加された3タイトルに共有のテーマ

apple arcade
 
60タイトルから始まったAppleのゲームプラットフォームApple Arcadeは、現在ではタイトル本数は130以上にまで達しています。最近ヒットゲームの開発スタジオによる3タイトルが新たに追加されましたが、それらのタイトルからAppleが目指してきたゲームの形が見えてくる、とテックメディアTechRaderがインタビューをまとめています。

課金済みのため世界観の構築に専念できる?

TechRaderは、Apple Arcadeに8月になって追加された「Game of Thrones: Tale of Crows」「Next Stop Nowhere」「The Last Campfire」のゲーム開発者たちにインタビューを行いました。
 
Game of Thrones: Tale of Crows」は、世界中で大人気のHBOのテレビドラマシリーズ、ゲーム・オブ・スローンズをテーマにしたゲームで、ゲーム画面を一定時間放置することによってゲームの状況が変化し、ユーザーとのインタラクションにより進行していく放置型ゲームとなっています。
 

 
Apple Arcadeはサブスクリプション形式のプラットフォームなため、ユーザーに対してしきりに課金を促す必要がなく、ゲームの世界観を重視したい場合重宝するとのことです。
 
ゲームを手掛けたジェイク・ホランズ氏は、「マネタイゼーションの心配がないため、シームレスな体験を作ることができる」と語っています。
 
Game of Thrones: Tale of Crowsは、他の放置型ゲームと異なり、ちゃんとエンディングが用意されているようです。これは、ただ単にユーザーにずっとゲームプレイを促すわけではなく、ユーザーの生活にフィットさせるのを目指しているからとのことです。

マネタイゼーションが得意でない開発者にぴったり?

Night School Studioの「Next Stop Nowhere」は、プレイヤーのキャラクターとの関わり方によって、ストーリーの展開が変わっていくアドベンチャーゲームです。キャンピングカーでのアメリカ国内をロードトリップする感覚に近いとのことですが、ゲームの舞台は宇宙となっています。
 
next stop nowhere
 
ゲーム開発者のショーン・クランケル氏は、「マネタイゼーションはあまり得意ではないので、Apple Arcadeという枠組みはありがたい」とコメントしています。
 
Next Stop Nowhereは、チャプター構成がはっきりしているため、延々とプレイし続けていつ辞めていいのかわからない状態になることはないといいます。

タッチコントロールでの直感的な操作に焦点

ヒットゲーム「No Man’s Sky」の制作で知られるHello Gamesの「The Last Campfire」は、先日Apple Arcadeで配信開始となったばかりです。
 


 
2018年にAppleからゲーム制作の話を持ちかけられたたHello Gamesは、iPadやiPhoneでのゲームプレイを念頭に置き、タッチコントロールでの直感的な操作に焦点を当ててきました。
 
Apple Arcadeでは、「直感的な操作」「芸術的なビジュアル」「深いテーマ」に重点が置かれているため、The Last Campfireはそこに問題なくフィットしていったといいます。
 
ゲーム開発者のショーン・マレー氏いわく、Appleは「創造性をかきたてるような、プレミアムなデバイスに合う、プレミアムな体験」を求めていたとのことです。
 
Appleは、Apple Arcadeにより高い集客効果が期待されるゲームタイトルを追加する路線に切り替えたとBloombergが伝えており、予定されていたゲーム開発契約がいくつか解除されたといわれています。
 
最近配信開始となったゲームは、いずれも2年ほど前から開発が始まっていたものばかりで、最近のApple Arcadeの戦略変更がゲームに現れてくるまで、もう少し時間がかかるとみられています。
 
 
Source:TechRader
Photo:Apple
(lexi)