企業がnoteを活用すべき理由と今伸びている背景【書き起こし】

どうも、ガイアックスの重枝です。本日はなぜ企業が「note」 を活用するべきなのかについてお話します。
※本記事は「ガイアックス ソーシャルメディアラボ」の公式YouTubeチャンネルで配信した内容を書き起こしてまとめたものです。

1. noteとは?


まずnoteがどのようなメディアかについて解説しましょう。最近セミナーなどで「これから来るSNSは何ですか」といった質問をよく受けます。企業として、SNSなどのプラットフォームについて、どういったものを活用すべきかということですね。

最近までは、やはりInstagramの勢いが一番あったのですが、昨年あたりからは「これからはnoteが熱いですよ」お話しすることが多くなりました。

noteのアクティブユーザー数

実際にnoteの月間アクティブユーザー数も2020年の3月の時点で4,400万人2020年6月23日発表のデータでは6,300万人と、わずか数か月間で1,900万人増加しました。なぜ、これほど急激に伸びているのかというと、新型コロナウイルスに関する騒動の影響が大きいと考えられます。

例えば、コロナ禍で来店客が減った店舗など、外出自粛により影響を受けたビジネスや医療従事者/専門家(新型コロナウイルスに関する専門家)、登校禁止になった学校法人などがインターネットでの配信に際してnoteを利用した情報発信を始めるようになりました。

公共団体や学校法人にはnote社が有料プランを無償提供するなどの支援も始めたため利用が増え、一気にユーザー数が増加したという側面もあるでしょう。

しかし、noteはコロナ禍以前にも急成長しており、2020年3月時点の月間アクティブアカウント4,400万人を、ほかのSNSの最新データと比較すると、Twitterの月間アクティブユーザーが4,500万アカウント(アカウント単位のため、人単位に直すともう少し少ないと予測される)で、Instagramが3,300万人となっています。

つまり2020年3月の時点で、すでにInstagramを上回る数の利用者がいたことになります。2020年6月発表の月間アクティブユーザー6,300万人というのはYouTubeと並ぶ数字であり、それだけ多くの人が見ているというのが現在のnoteの実態です。

2. noteが伸びた理由


なぜnoteがこれほどまでに見られるようになったのでしょうか。実際にTwitterやInstagramなども利用者は増加、Facebookも利用者は微減しているものの、ほぼ横ばいとなっており、ほかのSNSユーザーをnoteが奪ったというわけではありません。

ではどういった層がnoteを利用しているのかというと、おそらくこれまで普通のブログを読んでいた人たちであると考えられます。ブログ利用時間をnoteがどんどん獲得していった、つまりnoteのユーザー=ブログユーザーであり、ブログユーザーのブログを読む時間がnoteを読む時間へ変化したと推測されます。

noteのミッション

いったいnoteがいかにしてブログからユーザーを引っ張ってくることができたか、まさにここが「企業がnoteを使う理由」と関係してくるのです。

noteのミッション(企業責務)は「だれもが創作をはじめ、続けられるようにすること」、創作活動を継続すること、とされています。

ブログの場合、どちらかというと質の低い記事が検索上位に表示され、そういった記事に多くの流入があるという傾向があります。典型的なのが「いかがでしたかブログ」です。

例えば有名人が結婚した、不倫した、逮捕された……といった事件、企業の不祥事やスポーツ大会の優勝など、慶事も不祥事もひっくるめて何か世間的なモーメントがあったときに、おそらく1文字1円未満で契約した量産ライターが大急ぎで書く記事、〇〇の出身地は?学歴は?恋人は?のような記事です。

インターネットで調べた情報を記事のテンプレートに当てはめていき「~~さんについての情報をまとめましたが、いかがでしたか?」「恋人について調べてみましたが、分かりませんでした」「でも〇〇さんには、きっと綺麗な彼女がいるでしょうね」のように結論づけたものがよくみられますが、そういう記事が検索の上位に表示されるといった状況があります。

あとはアフィリエイトです。「とにかく商品を売らんかな」という主義の質の低い文章が多いのですが、そういうコンテンツでビューをとにかく増やし、読者にリンクをクリックさせ、それがアフィリエイトリンクだったら利益の一部をシェアしてもらうというものです。

相互リンクしあって物を売るためにコンテンツを量産し、検索の上位に表示されるようにしている。またはTwitterなどで、ただひたすらbotアカウントがアフィリエイトリンクを流しているなど、こういうものがよくあったわけです。

3. noteのメカニズム


しかし、noteというプラットフォームは、前述のような質が低い記事やアフィリエイト記事が検索上位に来るようなメカニズムにはなっていません。

質の高い記事に光を当てるnoteの機能

例えば、noteの機能のひとつにフォロー機能があります。これはフォローしている人が書いたnote記事がユーザーのタイムラインに流れてくるというものです。

それ以外にnoteには、編集部おすすめ機能というものがあります。これは、検索上位に来た記事や拡散された記事などではなく、編集部が本気で「これは良い文章だ」と認めたもの、つまり人の目で内容を判断したコンテンツをおすすめとしてピックアップしたものです。

そうすると、その記事がnoteのトップページに表示されて、
→それを見たユーザーが読む
→人の目で発掘されないと埋もれていた記事でも、それを読んでみて「これは良い」と共感する人が増える
→そうするとまたTwitterなどで拡散されて、どんどんビューが増えていく。

こういった流れが発生します。

noteはTwitterで拡散しやすい仕様になっており、Twitterとの相性の良さについてもよく取り上げられます。

noteでは、「作品の質」が評価される

またnoteでは、文字の派手な装飾やCSSを書き換えて記事そのものの見た目をいじるなどといった、ブログのような文字や記事の装飾が制限されています。ほぼすべてのユーザーが同じフォントでシンプルに画像をアップロードする形でコンテンツを作ります。装飾に制限をかけることによる効果として、テキスト・漫画・イラストなどのそれぞれが、それ自体の質を上げることにつながります。

ブログプラットフォームから提供されるような装飾に頼らず、自分の作品の質そのものを向上することが要求されるプラットフォームであるため、「いかがでしたかブログ」やアフィリエイトのような質の低いコンテンツが伸びにくいのです。

ビューを稼ぐための低品質な記事には読者の目を惹く仕掛けのようなものがいろいろ施されていますが、それらはコンテンツの質そのもので勝負するnoteには、とても太刀打ちできないということなのです。そうすると質の高いコンテンツを求めるユーザーがnoteに流れてくるのです。

ユーザーも、アフィリエイトや「いかがでしたかブログ」のようなものを読みたかったわけではなく、そういうものが流通されたり検索の上位に表示されたりするから読んでいたというだけのことなのです。

それに対して量よりも質で勝負している、「作品の質」が評価される構造を作っているのが、noteというわけです。ここがまさにユーザーが評価するポイントであり、さらに企業が活用すべきポイントになります。

ブログやアフィリエイトの場合、SEOに強いところが勝つ傾向があります。しかし記事を載せる場所としてnoteを選べば、メッセージそのもので勝負ができます。

企業が、自社製品のこだわりや哲学、FacebookやTwitterなどライトなSNSでは伝わりきらないこと、Webサイトに書いても読まれないようなコンテンツをnoteに載せていく。その内容に独自性があったり、熱い思いが伝わる内容であれば、noteで評価される可能性が高いです。

おすすめとしてピックアップされ、多くの人の目に触れたら、Twitterでも拡散されて、結果的にさらにnote内での評価やファン化につながる。こういう流れが実現できます。

つまり、製品にこだわりや哲学がある企業にはnoteがおすすめなのです。

ユーザーが納得した上での購買につながる


noteにはアフィリエイトのような購買につながる要素がまったくないかというと、そういうわけではなく、ショッピングカート系との相性はいいといわれます。なぜなら、企業や店舗がnote上で自社製品へのこだわりや熱い想いを発信することで共感を得られれば、購買意欲が高まるからです。noteとしても、ECサービスとの連携など、note上で商品を販売しやすくしています。

記事の最後に商品を購買できるリンクを貼っておけば、自分たちが熱を込めて制作した過程をずらっと読んだ後にショッピングカートにつながりその製品を買う、製品の仕様や過程を納得した上で購入するという流れを実現できるでしょう。

アフィリエイトの場合、どこの誰が作ったか分からないものを「これは利益率が高いから」という感覚で売る機械的な作業が多いわけですが、noteではそういうやり方では伸びません。noteというのは、ちゃんとした製品・企業であればあるほど有利になるという理想的でフェアなプラットフォームです。そのため、セミナーなどで質問を受けた際にはおすすめしています。

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4. 最後に

本記事の内容は「ガイアックス ソーシャルメディアラボ」の公式YouTubeチャンネルでも配信しています。

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