Qualcomm、5G対応のミッドレンジSoC「Snapdragon 690」を発表

Snapdragon 690
 
米チップメーカーQualcommは、ミッドレンジスマートフォンの5G対応を促進する「Snapdragon 690」システム・オン・チップ(SoC)を発表しました。

ローエンド寄りミッドレンジ分野で最もパワフルなチップ

QualcommのSoCは、XiaomiやRealmeなどの中国拠点のスマホベンダーから支持を集めてきました。これまで同社が打ち出してきたミッドレンジSoCには、2018年10月発表のSnapdragon 675、2019年4月発表のSnapdragon 730/730G、2020年1月発表のSnapdragon 720Gが挙げられますが、いずれも5Gには非対応でした。
 
Qualcommは、2019年12月発表のSnapdragon 765/765Gで、同社の「7シリーズ」に5Gを導入しましたが、Snapdragon 765はハイエンド寄りのミッドレンジスマホ向けで、ローエンド寄りのミッドレンジ機向けの5G対応SoCはこれまで発表されていませんでした。
 
5G対応Snapdragon 690(SM6350)は、Snapdragon 675の後継モデルで、理論上性能はSnapdragon 720G、Snapdragon 730Gに劣りますが、より新しいCPU、GPUを搭載しているため、ローエンド寄りミッドレンジの分野では最もパワフルなチップとなっています。

Qualcomm Snapdragon 690の特徴

CPUとメモリ

Snapdragon 690は、最大クロック数2.0Ghzの2つの大きなKryo 560コアと、6つの小さなARM Cortex-A55コアから構成されるオクタコア(2+6)のCPU搭載となっています。
 
Kryo 560コアはARM Cortex-A77コアが基になっていますが、A76ベースのSnapdragon 675と比べてCPUパフォーマンスは最大20%高いとされています。
 
Qualcommはいまだに2つの大きなコアを使用しており、4つの大きなコアで構成されるMediaTekのDimensity 800やDimensity 820 Socに遅れをとっていると言えます。
 
Snapdragon 690は、Samsungの8ナノメートル(nm) LPPプロセスで生産されています。対するDimensity 800とDimensity 820は、技術的により優れたTSMCの7nm FinFETプロセスで生産されています。
 
メモリは、最大1866MHzの2つの16-bit LPDDR4Xとなっており、8GBのRAMまで対応しています。
 

GPU、第5世代AIエンジン、ISP

Snapdragon 690は、 前モデルのGPUよりも60%速いとされるAdreno 619L GPUを搭載しています。
 
Snapdragon 690は、CPU/GPU/Hexagon 692 DSPから構成される、Qualcommの第5世代AIエンジンを搭載しており、ソーシャルメディアでのフィルター、レンズ間のスムーズな切り替えなどを含む、オンデバイスのセキュリティ、音声機能、カメラ機能を提供します。
 
カメラ用ISP(Image Signal Processor)は、2つの4-bit ISPから成るSpectra 355Lが採用されており、Qualcommの「6シリーズ」で初めて4K HDR動画撮影、ポートレートモード(ボケ効果)が利用可能となります。
 

モデム、Wi-Fi/Bluetooth、ディスプレイ

Snapdragon 690には、Snapdragon X51 5G modem-RFシステムが採用されており、サブ6GHの5Gに対応していますが、ミリ波の5Gには非対応となっています。
 
Snapdragon 690搭載のQualcomm FastConnect 6200は「Wi-Fi 6への対応準備済み」とのことですが、これが何を意味しているのか定かではありません。FastConnect 6200は、Wi-Fi 5とBluetooth 5.1に対応しています。
 
ディスプレイは、最大リフレッシュレート120Hz、フルHD+までサポート可能となっています。
 
 
Source:Qualcomm via XDA Developers
(lexi)