iPhoneサプライヤーのCatcher、中国の事業を売却

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iPhone向けに筐体を製造・供給していることで知られる台湾Catcher Technologyが、中国国内の2つの事業をLens Technologyに売却すると発表しました。

Lensに中国の事業を売却

Catcherは浙江省台州に位置する2つの小会社であるTopo TechnologyとMeeca TechnologyをLensに売却、売却手続きは年内に完了する見通しです。Bloombergによれば、LensはCatcherに対し14億3,000万ドル(約1,518億円)を支払います。
 
Catcherは売却について、米中貿易摩擦の悪化やサプライチェーンの統合による価格競争の激化を理由に挙げています。TopoおよびMeecaは、Catcher傘下の香港Lyra Internationalの完全小会社です。

LensはAppleからの受注増を狙う

GF Securitiesのアナリストであるジェフ・プー氏は「Pegatronが筐体製造会社であるCasetek買収を発表したことにより、CatcherはPegatronとの長い提携関係を失い、同時にAppleサプライチェーン内でのシェアも失った。そのためCatcherはその損失分を工場売却によって埋め合わせようとしているのではないか」と分析しています。
 
プー氏によれば、Catcherが売却した企業の工場では、iPhone向けの金属フレームと背面ガラスが生産されています。
 
「Lensにしてみれば、工場の購入により、将来的にiPhoneやiPadの生産受注を増やすチャンスにつながるという思惑がある」(プー氏)ちなみにLensはすでにAppleサプライヤーリストに名を連ねています。
 
米中関係の悪化は、テクノロジー企業の生産拠点としての中国離れを加速させています。最近では台湾Wistronも、中国でのiPhone生産拠点をLuxshare Precisionに売却しています。

 
 
Source:Bloomberg/Yahoo! Finance,Catcher
Photo:Apple
(lunatic)