Facebook、Appleを批判しながら自社が関与する環境汚染懸念は放置か?

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Facebookの子会社であるEdge Cable Holdingsがオレゴン州沿岸で行った海底ケーブル敷設工事での事故により、環境汚染の懸念が高まっていると、米メディアMotherboardが報じています。

海底ケーブル敷設工事事故後にゴミを放棄

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Facebookは、Appleがアプリケーション内課金に課している手数料について、「新型コロナウイルスが蔓延している状況において、中小事業者やクリエイターを圧迫している」と訴えていますが、その一方で自社が関与した環境汚染に繋がりかねない問題は放置しているようです。
 
事故は、工事完了予定日2日前の現地時間4月28日、海底ケーブルを敷設するための掘削作業中に、掘削機のドリルビット(ドリル先端)が引っかかり動かかなくなったことが原因で発生しました。事故により、ドリルビットと、ドリルパイプが破断しました。
 
海底下15メートルの掘削坑には今でも、掘削機の大部分と6,500ガロン(約24,000リットル)の掘削流体(掘削時に使用する液体)が残ったままです。Edge Cable Holdingsは5月5日に、オレゴン州ティラムック郡当局に対して掘削工事で事故が生じたことのみ報告し、掘削坑に掘削機や掘削流体が残されたままであることは報告しませんでした。
 
すぐに報告しなかった影響は大きく、「報告の遅れによって、これらの残留物を回収する手段は全て失われた」と、米国国土安全保障省(DTS:Department of State Lands)の広報担当者アリ・ライアン・ハンセン氏は述べています。

「問題ない」とのFacebookの回答を専門家は疑問視

この状況に関するMotherboardの問い合わせにFacebookは、「第三者である環境専門家のアドバイスにより、海底下の掘削坑から掘削機や掘削流体を除去するほうが環境や公衆衛生に悪影響を及ぼす可能性が高いと判断し、それらを回収しないと決定した」と回答しています。
 
Facebookは回答の中で、今回の判断に至った経緯、検討内容を開示することを拒否したと、Motherboardは伝えています。
 
フロリダ州立大学の海洋学者イアン・マクドナルド氏は、残留物を除去するほうが環境や公衆衛生に悪影響を及ぼす可能性が高いとのFacebookの回答に、「それは疑問だ」と述べています。同氏によれば、大量の掘削流体が、海底の動物相や自然環境に悪影響を及ぼす可能性があるようです。
 
現地住民は、「Edge Cable Holdingsは謝罪もせず、この件に関して説明する責任はないと言っている」と述べています。
 
 
Source:Oregon Live via Motherboard, 地球深部探査センター
(FT729)