95%の中国ユーザーがWeChatなしのiPhoneは買わないと回答


 
ドナルド・トランプ米大統領は先週、人気動画共有アプリTikTokと、多機能メッセンジングアプリWeChatを米国内でサービス停止とする大統領令に署名しました。制約内容にはアプリストアからの削除が含まれていますが、もし仮に中国のApp StoreからWeChatが取り下げられた場合、大多数のユーザーが今後iPhoneは使わない意向であることが明らかになりました。

全世界のApp Storeから削除される可能性も

Appleサプライチェーンに独自の情報筋を持つ著名アナリストのミンチー・クオ氏は、トランプ大統領のWeChat禁止令は、米国内のみでなく、世界的に適用され得ると考えており、中国のApp Storeから同アプリが削除された場合、iPhone出荷台数は年間25%〜30%減少すると予測しています。
 
決済機能を持つWeChatは、中国圏では生活に欠かせない必須アプリとなっていることもあり、「WeChatが使えないスマホはゴミ同然」と香港在住のケニー・オウ氏は述べています。
 
中国版のTwitterことWeiboで行われた「WeChatとiPhoneのどちらを選ぶ?」というアンケート調査では、おおよそ95%のユーザーが「WeChatなしのiPhoneは使わない」と回答しており、アプリがいかに人々の生活に浸透しているかが伺えます。

iPhone SEは売れなくなる?

WeChatがiPhone上で利用できなくなると、Appleの廉価デバイス戦略を担うiPhone SEが売れなくなるのではないかと心配する声も上がっています。
 
Huaweiなどのライバル企業のAndroidデバイスでは、アプリストアを介することなく直接デバイスにアプリをダウンロードすることができるため、iPhone離れが加速するかもしれません。
 
WeChatを運営するTencentの役員たちは、最近の業績報告の中でWeChatのサービス停止は米国内のみで、中国に影響は及ぼさないと信じていると主張しましたが、全世界のApp Storeからアプリが削除される可能性が拭えないため、大きな不安を募らせています。
 
 
Source:Bloomberg
(lexi)