ブラジル企業が「iPhone」商標の独占使用権を求めて裁判所に申し出

Gradiente-iPhone
 
巨大企業であるAppleは世界中で様々な訴訟対応を行っていますが、このたび、ブラジル企業が「iPhone」の商標をAppleより先に登録していたと裁判所に申し出ました。
 
裁判所の判断次第では、ブラジルでAppleがiPhoneの商品名を使えなくなる可能性があります。

Appleは多くの訴訟に対応中

Appleは、多くの訴訟対応を行っており、今月には、未使用の特許を根拠に使用料を請求する「パテントトロール」企業から特許侵害で提訴され、裁判所から約600億円の支払いを命じられました
 
また、梨のロゴマークを使用している企業を商標違反で訴えるなど、Appleが他社を提訴する事例もあり、世界各地の裁判所で訴訟対応を行っています。

ブラジル企業がiPhoneの商標権を主張

history
 
ブラジル家電メーカーのGradienteは、2000年に「G Gradiente iphone」という商標登録を申請しており、AppleのiPhone発売よりも先に「iPhone」という商標を申請していたと主張しています。
 
Gradienteは、以前はAndoroidスマートフォンの製造販売を行っていましたが、その後、法律上の再建手続きを行っている企業です。
 
Gradienteは2012年に「Gradiente iphone」というブランド名でAndroidスマートフォンを発売していましたが、その後Appleの訴えにより「iPhone」という商標名の排他性を失ったという経緯があります。
 
このたび、ブラジル最高裁判所はGradienteの申し出に基づき、Gradienteが保有する「iPhone」という商標名の排他性について再度審査を行うと決定しました。
 
Gradienteは過去の裁判所の決定は商標権を侵害するものだと主張し、一方、Appleは「1998年のiMac発売後に、多くの企業がiで始まる商品名を真似した」と主張しています。
 
仮にGradienteの主張が認められた場合、Appleがブラジルで「iPhone」という商品名を利用できなくなる可能性があります。
 
ブラジル最高裁判所の決定には数年の期間を要する可能性もあり、どのような判断が下されるにせよ、現時点ではAppleがブラジルでiPhoneを販売することは可能となっています。
 
 
Source:9to5Mac
Photo:9to5Mac, Gradiente
(seng)