MMD研究所が、「2020年7月 スマートフォン決済（非接触）の満足度調査」の結果を公表しました。非接触決済サービスの総合満足度トップは楽天Edyで、お勧めしたいサービスのトップはiDとモバイルSuicaでした。
利用率上位6サービスの利用者に調査
「2020年7月 スマートフォン決済（非接触）の満足度調査」は、先日結果が公表された「2020年7月スマートフォン決済（非接触）利用動向調査」で利用率の高かった非接触決済サービスをメインで利用する回答者各100人を対象に、2020年6月26日～7月8日の期間に実施されています。
調査対象は、楽天Edy、iD、モバイルSuica、QUICPay、nanacoモバイル、モバイルWAONの6サービスです。
なお、iPhoneのApple Payで利用可能なのはiD、モバイルSuica、QUICPayの3サービスです。
知ったきっかけは「公式サイト」「店頭」
メインで利用する非接触決済サービスを知ったきっかけのトップ3は、「公式サイト」20.3％、「店舗の案内やポスター」13.8％、「Webメディアの記事」9.8％でした。
サービス別に知ったきっかけの1位を見ると、楽天Edy、iD、モバイルSuica、QUICPayは「公式サイト」、nanacoモバイル、モバイルWAONは「店舗の案内やポスター」となりました。
流通系2社のサービスは、店頭での認知率が34.0％と、特に高いのが特徴です。
利用開始理由トップは「会計がスピーディ」
非接触サービスを使い始めた理由（複数回答可）は、「会計がスピーディーに終わるから」が37.0％でトップでした。
以下、「ポイントがたくさん貯まるから」27.7％、「クレジットカード登録をすればカードを出さなくて済むから」27.3％、「会計の際に現金を出すのが面倒だから」25.8％などと続いています。
使い始めた理由の1位をサービス別に見ると、楽天Edy、nanacoモバイルのトップは「ポイントがたくさん貯まるから」、iD、モバイルSuica、モバイルWAONは「会計がスピーディーに終わるから」、QUICPayは「登録すればクレジットカードを出さなくて済む」でした。
なお、「会計がスピーディーに終わるから」は、各サービスで1位か2位に入っており、いずれも30％程度の回答者が理由として挙げているのが特徴です。
モバイルWAONユーザーの71％が週1回以上利用
メインで利用している非接触決済サービスの利用頻度は、「1週間に1回以上」は全体の68.3%でした。
「1週間に1回以上」の割合が最も高かったのは「モバイルWAON」の71.0％で、以下「nanacoモバイル」70.0％、「楽天Edy」69.0％、「iD」と「モバイルSuica」がともに68.0％、「QUICPay」64.0％と並んでいます。
モバイルSuica、3部門制覇も総合首位逃す
調査では、メインで利用している非接触決済サービスの満足度を、以下4部門で聞き、ウエイトをかけて総合満足度を算出しています。
- 「お得部門」：キャンペーンの頻度、ポイント還元率、還元されるポイントの分かりやすさ
- 「デザイン部門」：操作の分かりやすさ、利用した金額（残高）の分かりやすさ、見た目の良さ
- 「実用部門」：使える場所（店舗・EC）の多さ、店員の理解度、チャージ方法の豊富さ
- 「信頼部門」：セキュリティ、企業の信頼性、使える場所の分かりやすさ
各部門別の満足度トップは、お得部門は「モバイルWAON」、デザイン、実用、信頼の3部門で「モバイルSuica」がトップとなりました。
総合満足度では「楽天Edy」がトップとなりました。
お勧めしたいトップはiDとモバイルSuica
メインで利用している非接触決済サービスについて、家族や友人に勧めたいかどうかを10点満点で聞き、NPS（ネット・プロモーター・スコア；顧客推奨度）を算出し、高評価の「推奨者」（9点〜10点）、中間の「中立者」（7点〜8点）、低評価の「批判者」（0点〜6点）で区分したのが以下のグラフです。
全体では、推奨者は15.7％、中立者は44.3％、批判者は40.0％で、推奨者から批判者を引いたNPSは-24.3でした。
サービス別でNPSが最も高い（お勧めしたい度合いが高い）のは、「iD」と「モバイルSuica」が-18.0でトップでした。
楽天Edyはスピーディ＆お得で総合トップか
MMD研究所が先日公開した、QRコード決済サービスの満足度調査の結果と比較すると、QRコード決済を利用し始めた理由は「ポイント」「キャンペーン」といったお得感が上位を占めていたのに対し、非接触決済は「会計がスピーディ」が1位か2位に入っているのが特徴的です。
総合満足度でトップに立った楽天Edyは、スピーディな決済と、利用者の多い楽天ポイントが貯められることが重なったことが、総合的な評価につながったものと考えられます。
Source:MMD研究所
Photo:楽天Edy
(hato)
