世界のBtoB企業はSNSをどう使う? 国内外のBtoB・モノづくり業界におけるSNS投稿事例9選

広報やブランディングにSNSを積極的に活用する企業が増えています。しかしBtoB企業では製品や事業内容が一般ユーザーにとって馴染みが薄く、どのような投稿をすれば見てもらえるかが難しい場合もあるかもしれません。

そこで今回は世界的なBtoB企業のSNS活用事例をまとめました。各業界のBtoB企業のアカウント運用には、SNS運用のヒントが詰まっています。

    ■目次

  1. 事例① 航空機:ボーイング(米国)
  2. 事例② 建設機械・総合:キャタピラー(米国)
  3. 事例③ 工作機器・総合:DMG 森精機(日本)
  4. 事例④ 産業ロボット:ABB(スイス)
  5. 事例⑤ プラントエンジニアリング:現代建設(韓国)
  6. 事例⑥ 総合重機:GE(米国)
  7. 事例⑦ 半導体製造装置:Lam Search(米国)
  8. 事例⑧ 繊維:クラレ(日本)
  9. 事例⑨ ガラス:AGC(日本)
  10. まとめ

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事例① 航空機:ボーイング(米国)

ボーイングは大型旅客機メーカーであり、航空宇宙機器開発や軍用機などの研究と製造を担う巨大企業です。

Facebook、Twitter、Instagram、YouTube、LinkedInを運営しています。

ボーイングのTwitter

Twitterでは自社のニュースリリースや宇宙開発、航空機に関するインフォメーションが中心ですが、従業員の紹介やパートナー企業とのやりとりなど、ビジネス向けではない投稿もしています。

https://twitter.com/Boeing/status/1226933099562491907

アフリカ系の偉人や歴史を回想する年間行事「Black History Month(黒人歴史月間)」のハッシュタグを付けた投稿です。黒人の従業員の名前やメッセージをスレッド形式で並べて感謝の気持ちを綴っています。

200以上のいいね!が付いている一方で、「黒人を重視すること自体が差別では?」といったリプライもあります。人種などの話題を扱うのは難しさもあるため、会社としては慎重な投稿が求められそうです。

https://twitter.com/Boeing/status/1245410022672216066

ビジネスパートナーである素材メーカーの投稿を引用リツイートして、感謝の気持ちを伝えています。250以上のいいね!が集まり、リプライ欄では一般ユーザーから双方への応援の声が寄せられました

事例② 建設機械・総合:キャタピラー(米国)

キャタピラーは、建設機械やディーゼルエンジンなどを手がける大手製造企業です。Facebook、Twitter、Instagram、YouTube、LinkedInを運営しています。

キャタピラーのLinkedIn

LinkedInでは同社の社会的貢献や従業員の紹介など、企業イメージの向上に繋がるような投稿が多めです。従業員が熱意を持って仕事に向かっている様子がうかがえる投稿事例を紹介します。

https://www.linkedin.com/posts/caterpillar-inc_caterpillar-autonomous-application-specialist-activity-6631561985160949760-XfeK/

同社グループ会社社長の投稿を引用し、仕事のやりがいについての動画を拡散しています。100件以上のいいね!と、コメント欄には「Wow!」「Excellent!」などの感動の声や感謝の言葉が集まりました。

https://www.linkedin.com/posts/caterpillar-inc_iamcaterpillar-employeeappreciationday-activity-6641693945170575360-kCmP/

人事最高責任者であるシェリル・ジョンソン氏の言葉「想像できる人と、実行できる人がいなくてはいけない」を引用しながら、「従業員感謝の日」の取り組みを紹介しています。「#iAmCatarpillar」という独自ハッシュタグも添えて、同社で働く人の熱意を伝えました。3,700以上のいいね!と、50件のコメントが寄せられています。

事例③ 工作機器・総合:DMG 森精機(日本)

DMG 森精機は工作機械製造の大手企業で、海外にも拠点を置いてグローバルに展開する企業です。Facebook、Twitter、Instagram、YouTube、LinkedInを運営しています。

DMG 森精機のFacebook

Facebookでは同社の製品紹介や社会的な取り組みを紹介する一方で、社員による料理レシピといったような堅苦しさを感じないゆるいコンテンツも投稿されています。一般ユーザーにも見てもらいやすい、ビジネス向けではない投稿事例を紹介します。

https://www.facebook.com/watch/?v=526600944928774

奈良の支社による、「オフィスの近くで鹿の大行進に遭遇した」という投稿です。ビジネスとは関係ないものの、添付の動画はとても微笑ましく親近感の沸く内容で、70以上のいいね!を獲得しています。

https://www.facebook.com/DMGMORI.CO/posts/2560414340890812

同社がサポートをしているセーリングチームの近況を伝える投稿です。新型コロナウイルスの影響を受けながらも、健康に配慮しながら海外でトレーニングを進めている様子を豊富な画像を交えて発信しています。70件ほどのいいね!と、シェアも5件されています。

事例④ 産業ロボット:ABB(スイス)

ABBグループは電力や重工業、産業ロボット開発を手がけるスイスの企業です。Facebook、Twitter、YouTube、LinkedInを運営しています。

ABBのYouTube

同社のYouTubeチャンネルでは、スポンサーを務めるABB FIAフォーミュラEに関する動画や自社製品の紹介、展示会の様子などを中心に投稿しています。高い技術力を持っていることや、従業員が明るく仕事に取り組む様子を発信している投稿事例を紹介します。

https://www.youtube.com/watch?v=KIQV4iJMvok

ロボット技術を訴求する再生リスト「Robotics」の中でも、この動画は再生回数が1万回を超えています。ロボットがクリスマスツリーの飾り付けを器用に行う様子はロボット技術の高さを示し、映像の美しさも印象的です。

https://www.youtube.com/watch?v=lyxDJAGxka0

再生リスト「ABB careers」では、同社で働く従業員にフォーカスしています。「より良い世界を自ら作り出そう(A better world begins with you.)」をテーマとしたこちらの動画は、世界中の従業員が意欲的に仕事へ取り組む様子を発信しています。27件の高評価が付けられ、2万回近く再生されています。

事例⑤ プラントエンジニアリング:現代建設(韓国)

現代建設は現代自動車グループ系列で、韓国のプラントエンジニアリング企業です。Facebook、Twitter、YouTube、LinkedInを運営しています。

現代建設のYouTube

YouTubeチャンネルで発信している動画は、テレビ番組風にテロップやシーン切り替えを入れて動画編集にも力を入れている様子がうかがえます。ドラマ仕立ての動画やYouTuber風の動画など、一般ユーザーに親しみやすさを与える投稿事例を紹介します。

https://www.youtube.com/watch?v=f3UREEwC1qQ

「現代建設Webドラマ」という再生リストは、1本10分程度のドラマ番組風の動画が並びます。仕事風景や恋愛模様を描いた作品はコンテンツとしてしっかり楽しめるもので、200件以上の高評価を獲得し、4万回以上視聴されました。コメントも30件以上寄せられています。

https://www.youtube.com/watch?v=ak2x3YKnp2s

YouTuberによくある「やってみた」動画のようなスタイルで、同社の安全設備の体験や事故防止意識を高める活動を紹介しています。効果音もふんだんに使い、最後まで飽きずに視聴させる工夫が見られます。再生回数は5万回以上で、90以上の高評価と40件以上のコメントが付いています。

事例⑥ 総合重機:GE(米国)

GEは、世界最大級の規模を誇るアメリカの総合電機メーカーです。Facebook、Twitter、Instagram、YouTube、LinkedInを運営しています。

GEのInstagram

Instagramでは同社の製品の紹介や技術力の訴求、従業員が働く様子などを発信しています。一般の人はなかなか見ることのない工場内の様子を投稿している事例を紹介します。

https://www.instagram.com/p/B6TJWNllSba/

こちらの投稿は世界最大級のジェットエンジンを紹介しているものです。人間と並ぶことでその大きさが際立つだけでなく、造形としての美しさも感じられる写真となっています。6,000以上のいいね!を獲得し、多くのコメントも付きました。

https://www.instagram.com/p/B2UP-ETnZqQ/

リードテストエンジニアとして活躍する女性従業員のアマンダ・フィッシャー氏が、工場内を案内する動画です。自撮り棒などを使って撮影された動画は臨場感にあふれ、巨大な工場の中で働く人の様子も分かるような内容となっています。

動画は1万回以上再生され、「Great job」「Amazing!」などのコメントが寄せられています。

事例⑦ 半導体製造装置:Lam Research(米国)

半導体の製造装置の製造を手がけるLam Researchは、Facebook、Twitter、Instagram、YouTube、LinkedInを運営しています。

Lam ResearchのFacebook

日本人向けには日本語、外国人向けには英語と内容によって異なる言語で発信しているのが特徴です。半導体装置といった難しい内容でも、図解を交えてわかりやすく伝えています。

https://www.facebook.com/LamResearchCorporation/photos/a.270628489775718/1461364344035454/?type=1&theater

横長の大きめな図解を使って新発表の半導体技術を説明している投稿です。リンクをクリックすると、より詳しく技術を解説している専門サイトへ遷移します。いいね!数は50件、4件のシェアとコメントが2件付いています。

日本語でも、寄稿記事の紹介とともに以下のような画像が投稿されています。

https://www.facebook.com/LamResearchCorporation/photos/a.270628489775718/1525213647650523/

事例⑧ 繊維:クラレ(日本)

クラレは機能樹脂や化学品、人工皮革、合成繊維などの製造・販売を行う日本の化学メーカーで、YouTubeとLinkedInを運営しています。

クラレのLinkedIn

クラレは日本以外にもアメリカやヨーロッパに関連企業があり、LinkedInでも複数のページを保有しています。ここでは海外アカウントの投稿事例を紹介します。

https://www.linkedin.com/posts/kuraray-europe-gmbh_glassfloors-interlayers-architecture-activity-6625299577106907136-jstp/

建物にガラスの床を使ったときの効果について解説している、クラレヨーロッパのアカウントです。自社ガラス製品の特性をまとめたホワイトペーパーにリンクを張って誘導しています。この投稿は日本アカウントでシェアもされました。33件のいいね!が付いています。

https://www.linkedin.com/posts/kuraray-america-inc_monosol-making-dissolvable-laundry-bags-for-activity-6655855287368507393-yK0d/

こちらはアメリカの投稿です。大手新聞のタイムズ紙に、自社が素材を提供する団体が取り上げられたことを伝えています。記事へのリンクや複数のハッシュタグを添えて詳細に伝えています。

事例⑨ ガラス:AGC(日本)

AGCは、ガラスや化学品、セラミックの製造や研究開発を手がける日本の企業です。Facebook、Twitter、YouTube、LinkedInを運営しています。

AGCのTwitter

Facebook やLinkedIn では製品情報などの広報活動を行っていますが、Twitterでは自社キャラクターの「AGCちゃん」が、絵文字や顔文字を多用しながらゆるく自由にツイートしています。そんな「AGCちゃん」の投稿事例を紹介します。

https://twitter.com/AGC_MAGIC/status/1247110615757283329

アーティストの星野源さんが始めたハッシュタグ企画に乗って、音楽に合わせてガラス拭きダンスをする様子を投稿しています。700以上のいいね!と180回以上のリツイートに加え、「かわいい」「ほのぼのする」などのリプライも多数寄せられました。動画は2万回以上再生されています。

https://twitter.com/AGC_MAGIC/status/1249963272062656513

グループ会社であるiwakiの投稿をリツイートして紹介している投稿です。「手軽におうちがコーヒー屋さんに早変わりなんだし」と、キャラクターの目線でコメントを添えています。

まとめ

さまざまな業界のBtoB企業によるSNSの投稿事例を見てきました。企業の活動を分かりやすく解説したり、動画の編集にこだわったりと、それぞれが工夫を凝らして広報活動をしている様子が分かります。

SNS運用にあたっては、業界内で知識をシェアするのか、求職者へアピールするのか、一般ユーザーに広く伝えたいのかなど、目的によって投稿スタイルや使うSNSを適切に選択することが大切です。