世界PC・タブレット出荷台数、今年は7%減、来年も横ばいに

Global PC shipment
 
世界的な新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の蔓延により、2020年第1四半期(1月〜3月)におけるPC・タブレット出荷台数は落ち込みました。調査会社Canalysは、PCおよびタブレット市場の低迷は当面続き、コロナ前の2019年のレベルまで回復するには数年かかると述べています。

2022年にようやくプラスに転じる

Canalysは2020年の世界PC・タブレット出荷台数を、2019年の3億9,560万台から7%減の3億6,780万台と見積もっています。そして2021年は横ばい、2022年にようやくプラスに転じるものの、前年比でわずか2%増と予想しています。つまり2022年になっても、新型コロナウイルスが流行する前のレベルまでは回復しないということです。

ノートPC需要は増えてもデスクトップとタブレットは低迷

コロナの影響でリモートワークが増えており、単純に考えるとノートPCの需要は伸びているはずです。実際Canalysの調べによると、多くの企業は在宅勤務者のためにノートPCを購入、また教育分野でもノートPC需要は増えています。
 
しかしその一方で、これまでオフィスで使われてきたデスクトップPCの買い替え需要が大きく落ち込んでいます。
 
またiPadなどのタブレットPCも、今年のクリスマス商戦の売上はあまり期待できないとCanalysは見ています。新型コロナウイルスは経済に大きなダメージを与え、多くの失業者を生み出しました。現在多くの消費者にとって、タブレットPCの購入は優先事項ではないからです。
 
しかしその一方で、コロナはPCやタブレット、スマートフォンの重要性を浮き彫りにしました。コロナによって、これまで以上に高性能なモバイルコンピューティングデバイスが求められるようになった、とCanalysは指摘します。
 
したがって今後PC・タブレット出荷台数が回復に向かうのは確実なものの、コロナ前のレベルまで回復するには数年かかる見通しです。

地域別予想

Canalysは地域別のPC・タブレット出荷台数成長率についても予測しています。
 

  • 中国:2020年は対前年比3%減、2021年は同4%増。
  • アジア太平洋:2020年は対前年比1%減、2020年第1四半期末(3月)からすでに回復の兆し。
  • 北米:2020年は対前年比6%減。世界最大のPC市場である米国において、2020年第1四半期(1月〜3月)は供給不足となったのが原因。米国市場の回復は2022年までずれ込む(同年の成長率は対前年比で4%増)。
  • 欧州、中東、アフリカ:2020年は対前年比10%減、2021年は同1%増。
  • ラテンアメリカ:2020年第2四半期(4月〜6月)は対前年同期比16%減、第3四半期(7月〜9月)は同6%減、第4四半期(10月〜12月)は同9%減に。回復は2021年第2四半期となる見通し。

 
 
Source:Canalys
(lunatic)