Appleのティム・クックCEO、「人種差別についての発言」を公開

Apple「Speaking up on racism」
 
Appleは、同社Webサイトにティム・クック最高経営責任者(CEO)による「人種差別主義についての発言(Speaking up on racism)」と題した公開書簡を掲載しました。

現在も根強く残る人種差別を訴える

現地時間6月4日にAppleのWebサイトに掲載されたティム・クックCEOの公開書簡は、白人警察官の暴行による黒人男性ジョージ・フロイドさんの死亡事件を「無意味な殺害」と批判し、皆が自らの恐怖、痛み、怒りを認識して立ち上がらなくてはいけない、との呼びかけから始まります。
 
そして、人種差別は、暴力だけではなく、犯罪捜査や、有色人種コミュニテイで病気の犠牲者が特に多いことや、地域サービスや子供への教育の不平等として現在も根強く残っている、と訴えています。
 
Apple「Speaking up on racism」
 

Appleの使命、教育や環境や多様性への貢献

クックCEOは、Appleの使命は「これまでも、これからも、世界をより良く変えるための力を人々にもたらすテクノロジーを生み出すこと」と述べています。
 
同氏は「私たちは、さらに努力しないといけない」と、教育、環境、多様性、平等を推進するための取り組みに貢献し続ける決意を語っています。
 
書簡は、マーティン・ルーサー・キング牧師の「今日、私たちの生死は、目を覚まし、新しいアイデアに適応し、用心深さを保ち、変化への挑戦に向きあう能力にかかっています」という言葉を引用したうえで、「私たちが呼吸するたびに、私たちは変化に向かい、より良く、より公正な社会を作り出さなくてはなりません」との言葉で締めくくられています。

Apple従業員にもメッセージ

クックCEOは、ジョージ・フロイドさんの死亡事件を受けて、現地時間6月1日にはApple従業員に対し、正義のために貢献する方針を示したメッセージを発しています。
 
人種差別に対する抗議活動の一部が暴徒化し、全米各地のApple Storeが襲撃と略奪の標的となっています(盗み出されたiPhoneは、略奪犯に警告メッセージを表示)。
 
保護のため板張りとなって一時休業中のApple Storeは、平和的なメッセージを発信するスペースとして活用されています
 
Apple Musicは、現地時間6月2日、コンテンツをブラックアウトして人種差別撤廃を訴えるメッセージを発信する音楽業界のキャンペーン「Black Out Tuesday」に参画し、特別なプレイリストも公開しています。
 
 
Source:Apple, 9to5Mac (1), (2)
(hato)