2020年1月〜3月の世界スマホ販売は史上最悪の減速、iPhoneは8.1%減

iPhone11 Apple
 
2020年第1四半期(1月〜3月)における、世界スマートフォン販売台数は前年同期比20.2%減で、史上最悪の落ち込みとなりました。Appleはマイナス8.1%と、SamsungやHuaweiと比べて軽微な減少で済んでいます。

世界販売台数はマイナス20.2%で史上最悪

調査会社Gartnerは現地時間6月1日、2020年第1四半期(1月〜3月)の世界全体におけるスマートフォン販売台数のデータを公開しました。
 
全体の販売台数は約2億9,913万台で、前年同期の3億7,491万台から20.2%の減少を記録しました。
 
スマートフォン販売の急激な冷え込みについてGartnerは「史上最悪の減速」と表現し、その理由を新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響により、世界各地で外出禁止令が出され、経済の先行き不透明感により、多くの消費者がスマートフォンの購入を「不要不急」として見送ったためだろう、と分析しています。
 
また、Appleなど出荷台数の多い中国系メーカーの製品製造の中心である中国で、工場が一時閉鎖となった影響も大きいとみられます。
 
Gartner 2020年第1四半期 世界スマートフォン販売台数
 

iPhoneは前年同期比8.1%減にとどまる

販売台数をメーカー別に見ると、Samsungが約5,533万台で、前年同期比マイナス22.7%と大きく落ち込みながらも首位を維持しています。
 
2位のHuaweiは約4,249万台で、前年同期比マイナス27.3%と、上位5社中最大の減少を記録しています。
 
3位のAppleは約4,092万台で、前年同期比8.2%マイナスとなったものの、SamsungやHuawei、OPPOと比べて落ち込み幅は抑えられています。
 
Xiaomiの販売台数は約2,394万台で、前年同期比1.4%と小幅ながら、増加しています。

コロナの影響なければ、iPhoneは記録的販売台数に

Appleの販売台数の落ち込みが比較的少なかったことについてGartnerは、HuaweiやOppoやVivoと比べて中国市場への依存度が低かったものの、製造拠点の閉鎖Apple Storeの一時閉店が響いた、と分析しています。
 
Gartnerは、2019年秋に発売されたiPhone11シリーズの販売好調により、2020年は世界的に良いスタートが切れたものの、サプライチェーンの混乱と消費者意欲の冷え込みにより2月には失速した、とも指摘し、「もしCOVID-19の影響がなければ、iPhoneの販売台数は記録的なものだっただろう」と予測しています。
 
同社はまた、Appleはオンライン販売の顧客サービスが優れていることと、3月の終わりには製造能力が通常に近い水準まで回復したことで、年初の勢いを取り戻した、ともコメントしています。
 
なお、調査会社Omdiaは先日、2020年1月〜3月の世界スマートフォンモデル別出荷台数を発表し、iPhone11が世界で最も売れたスマートフォンとなった、と発表しています。
 
 
Source:Gartner
(hato)