商品そのものより、商品がある「生活」を訴求! ECサイトのInstagram活用事例5選

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ショッピング機能の登場や、ショップタブ内での検索やおすすめ機能の向上などによって、いまやEC事業者にとって欠かせないプラットフォームとなっているInstagram。最新の活用方法やECアカウントの運用事例はどのようなものなのでしょうか。本記事では、5つの国内事例をもとに考察していきます。

※更新履歴
2021年11月:事例を更新・追加しました。
2017年7月:事例を追加しました。

    ■目次

  1. ZOZOTOWN
  2. 北欧、暮らしの道具店
  3. フェリシモ猫部
  4. LOHACO
  5. ドラマ『着飾る恋には理由があって』 × Rakuten Fashion
  6. まとめ

1. ZOZOTOWN

@zozotown

衣類だけにとどまらず、コスメやスキンケアなど取り扱い製品の幅を広げ続けるZOZOTOWN。現在フォロワー数は約8.3万人です。

同じブランドや告知については毎回3つずつ投稿されており、プロフィールページの横一列のテイストをそろえています。そうすることで、扱う商品やブランドが多岐に渡る中でも散漫な印象になりすぎず、おしゃれな印象になっています。

投稿のポイント


こちらは若者に人気のブランドによるコラボアイテムに関する投稿です。アカウント内にはこういった人気ブランドによるコラボアイテムの紹介も多く取り入れてられており、フォローすることでファッショントレンドの最新情報がキャッチアップできます。

キャプションは全体的に「です・ます」調を使わず、カジュアルで親しみやすい言葉遣いとなっており、ファッション雑誌をめくっているような感覚で閲覧できます。

2. 北欧、暮らしの道具店

@hokuoh_kurashi

北欧、暮らしの道具店のInstagramには、ECの取扱商品が実際に使われている場面の写真が数多く投稿されています。

1日あたり7~8件ほど投稿されており、フォロワー数は約113.9万人とかなり人気が高いことがわかります。

ECで扱う調理器具を使ったレシピやインテリアのコツなど生活のヒントも盛り込まれており、ユーザーにとって有益かつ興味の惹かれるコンテンツとなっています。また、すべての投稿に製品がタグ付けされているため、ユーザーの商品購入までの流れもスムーズです。こうした導線作りもECアカウントとして賢い運用方法でしょう。

投稿のポイント


こちらは取り扱い製品のひとつであるグラスを紹介する投稿です。10枚の写真で構成されており、ひとつの投稿でさまざまなバリエーションの用途がイメージできる情報量になっています。

キャプション部分ではお手入れのヒントや、「耐熱なので蒸し料理にも使える」などといった活用のコツが紹介されているところも購買欲を促進するポイントです。

3. フェリシモ猫部

@felissimonekobu

フェリシモ猫部は総合通販事業会社の株式会社フェリシモによる、猫をテーマにしたInstagramアカウント。フォロワー数は約7.3万人で、投稿はほぼ毎日、1日1~2投稿ほどです。

かわいい猫の画像が毎日投稿され、見る人を癒してくれます。あえて商品紹介をまったくしない投稿が大多数であり、広告要素をあまり感じさせない内容です。ただ、毎月インスタライブを開催しており、そこでは商品が紹介され、「インスタライブ紹介アイテム」をまとめた投稿も同様に月1の頻度で行われています。ライブはIGTVとしてアーカイブされており、リアルタイムでなくても見られるようになっています。

また、「#フェリシモ猫部」というオリジナルハッシュタグを運用することで、アカウント全体が猫好きユーザーが集うコミュニティの場になっています。

同アカウントのようにジャンルを絞った投稿に振り切るのは、一つの有効な手段です。総合通販事業であっても、Instagram運用では相性の良いジャンルや趣味趣向で細かくテーマを区切っていく手法もいいでしょう。

投稿のポイント


こちらは上述のハッシュタグ投稿で集まったファンの方からの投稿のひとつを取り上げたものです。

コメント欄には猫ちゃんの飼い主から投稿のシェアに対してお礼のメッセージがあり、そこにアカウントの編集担当者が返信するというようなコミュニケーションも発生しています。

投稿はあくまでこうしてコミュニティを構築しファンとの距離を縮める場として活用されており、特に商品の宣伝などはされていません。

4. LOHACO (@lohaco.jp)

@lohaco.jp

日用品からオフィス用品まで幅広く扱っているLOHACO。アスクルが運営する個人向け通販サイトのアカウントで現在フォロワーは約6.7万人、ほぼ毎日投稿しています。

Instagramでは食料品やキッチングッズ、化粧品などを紹介。商品そのものだけでなく、同社で扱っている食材や調味料を使ったレシピ動画なども公開しており、商品の宣伝にとどまらず、暮らしのヒントとなるような投稿になっています。

リールやインスタライブなどの動画系コンテンツにも注力している様子が見受けられます。

投稿のポイント


こちらは同社が扱うホットサンドメーカーを紹介する投稿です。

いつもの朝食に飽きてしまった家庭へ、時短で豪華に朝の時間を彩るアイデアが複数枚の画像とともに提供されています。

投稿ごとにハッシュタグも工夫されており、この投稿には「#ホットサンド部」や「#おうちごはん」、アウトドアで使用する人向けの「#キャンプめし」「#オシャキャン」などのハッシュタグつけられています。ハッシュタグは投稿ごとに細かく変えており、運用のきめ細やかさを感じます。

5. ドラマ『着飾る恋には理由があって』 × Rakuten Fashion

@kikazarukoifashion

こちらは2021年4月からTBSで放送されていたドラマ「着飾る恋には理由があって」と、楽天ファッションとのコラボアカウントです。ドラマ放送期間中に、川口春奈さん演じる主人公真柴くるみを含む出演者が劇中で身に着けていたファッションアイテムの詳細が投稿されていました。フォロワー数は4.9万人、放送当日に着用アイテムを一挙に投稿していました。

ドラマ放送中には楽天ファッション内に特設ページが開設されており、ドラマの宣伝と、モールへの誘導の2軸の目的でInstagramが運用されていたと予想されます。ドラマで見たおしゃれな服やファッションアイテムをSNS経由で閲覧、購入できるようにするという、なんとも購買意欲が刺激されそうなプロモーション事例です。

投稿のポイント


アカウントではドラマ放送当時、こちらのように出演者が身に着けていたアイテムを、劇中の登場シーンとともに紹介する投稿がリアルタイムで発信されていました。

また、ドラマの主人公の真柴くるみがSNSインフルエンサーという設定だったこともあり、彼女の名前でのInstagramアカウントも開設されました。そちらのアカウントでも川口春奈さんが劇中のファッションに身を包み、アイテムを紹介する投稿を見ることができます。

こちらが女優の川口春奈さんが真柴くるみという架空の人物になりきって発信しているアカウントの投稿です。投稿内では川口さんの写真と「新調したアクセサリー」というテキストとともに、楽天ファッションとのコラボアカウントで紹介されていたイヤーカフや、その他劇中で身につけられていたアイテムがブランドのタグ付きで紹介されています。

6. まとめ

ECサイトを持つ5つの企業のInstagramアカウントの運用事例をご紹介しました。SNSの活用でユーザーとのコミュニケーションが生まれたり、実際に購買行動を起こすことも少なくありません。ECサイトを運営する企業の担当者は、本記事を参考にぜひ独自の活用方法を見つけてみてはいかがでしょうか。